一般家庭においては財政健全化は当然正義です。入ってくるお金よりも、出ていくお金を少なくする。当たり前ですよね。
では国の場合はどうでしょう?自国通貨で借金をし、その借用書の半分近くは日銀が持ち、残りもほとんどが「ゆうちょ」などの金融機関が国内で保有しています。
しかも紙幣発行権を持つ日銀は、株式の55%を政府が保有するいわば子会社です。連結決算の対象だという事です。
つまり景気低迷期には、プライマリーバランスよりも財政出動を重視した方が良いという事です。政府支出を減らすのは、あくまでもインフレ率が3%とか4%とか高くなった際です。現在の様なデフレ下で個人消費を冷やす政策しかしないというのは、まさに自殺行為でしかありません。財政健全化はインフレにブレーキをかけた結果として財政が健全化される訳で、財政健全化自体を目的にするのは本末転倒ではないでしょうか。
「政府だけ」でみている為、優先度が逆転してしまい合成の誤謬が発生しているのです。