コラム:消費増税の嘘

参院選が近いので今日は消費増税の話を。

皆さんは消費税をどういう物だと考えていますか?現在の日本の消費税は一律8%ですから、所得に対する税割合は低所得者ほど高くなるという、逆累進みたいな格差拡大装置になっています。

例えば年収200万ならほぼ全て消費に廻します、そうでないと生活できませんからね。しかし年収1億の人が1億消費しますか?するわけないですよね。つまり消費性向に連動して消費税が掛かるため、低所得世帯ほど家計に占める消費税割合は跳ね上がるわけです。

消費税が最初に導入されたのは1989年竹下内閣の時でした。竹下元総理はDAIGOのお爺さんですね。当時の税率は3%。その後、橋本内閣の下で1997年に5%に増税。現在も続くデフレの直接的キッカケです。しかし20年を超えるデフレって凄いですよね。2012年3党合意の後、2014年安倍政権下で8%へ増税。

因みに2014年安倍政権の消費税導入時の公約はコレです。

ん?全額、社会保障の充実と安定?本当ですか?消費税の使途内訳については安倍総理自身が「8割を借金返済に充てている」と1月に発言しています。つまり法人税を減税し、そこに消費税収の8割を突っ込んでいるという事です。

これはつまり、本来なら大企業から取るべき税金を、そのまま個人に付け替えただけです。

法人税減税の弊害も、現在のデフレに拍車を掛けています。本来であれば課税所得(益金ー損金)に対して法人税が掛かる為、内部留保を増やせば当然法人税額も高くなります。その為、経営者は「高い法人税を払う位なら賃金を上げよう」とか「設備投資に回そう」とかなるわけです。実際、日本が成長していた時期はそうなっていました。ところが法人税率の低下は、そういった選択肢を奪ったわけです。これだけでも個人消費の伸びは鈍化しますが、更に消費増税で追い打ちを掛けるのですから、デフレ脱却なんて無理ですよね。

しかも年金を突っ込んで株価を支え、大企業は配当や自社株買いが盛ん。一方で株主の主体である日銀や外国人投資家には配当としてお金が流れ、一般の日本人の家計にお金が回って来ないわけですからね。

プライマリーバランス黒字化の為、増税→個人消費減少→税収減少→歳出減少→景気の悪化→実質賃金減少 という悪循環です。そもそもデフレ下で増税なんてね・・・あまりにも無策。

今増税って本当に必要なの?

必要ありません。

本来なら減税し、個人消費を活性化する施策が必要です。実質賃金の上昇も必要です。ところが現政権下では真逆の施策を摂っています。政府の言い分はこんな感じ。

「賃金は上がってる」←それ名目賃金ですけど?ちゃんと実質賃金が上がらなければ、個人消費は増えません。

「国の借金を返済する為に増税が必要」←法人税下げてますよね?しかも「政府」が「日銀」に対する借金を返済するので増税って何?日銀の株式55%持ってるの「政府」ですけど?兌換紙幣の時代じゃあるまいし、政府は不換紙幣の発行できますよね?

「消費税でみなさんから平等に税金を」←税金は税率を平等にすると、実態が不平等になるのは常識なんですが?それなら分離課税をやめて、累進一本にすれば消費増税必要ないんじゃないですか?その方が平等ですよ。

ハッキリ言って、経団連からの法人税減税圧力と財務省からの消費増税圧力にまるっと乗ってるのは明らかですよ。2014年の増税の際、リーマンショック以上の個人消費の落ち込みを記録しておいて、「もう一回やったろう!」と思う神経が凄いですよね。

こんなトンデモ運営をしても「死ぬまで安倍さんに付いて行くっす!」という方達が多いのは嘆かわしい事ですが・・・トランプの支持層と同じですね。

支持者に多いのが「野党よりマシ」という決まり文句ですが、これは一切統計を見ずに政府のプロパガンダを鵜呑みにしているんですよね。自分で元データを調べて見ればすぐわかりますが、ドル建て実質GDPや公共事業投資、実質個人消費など現政権より「悪夢の民主党時代」の方が上です。円安と米中経済の伸び、株価吊り上げで円建名目GDPが上がってるので「アベノミクスが成功している」と政府は流布していますが、国民はせめてその数字が「名目」か「実質」かぐらいは注意するべきだと思います。また貿易はドル建てで行っているのでドルで見なければ生産量の増減はわかりません。でなければ簡単に騙されます。

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